あなたはなぜその国へ? #11 〜ミャンマー編〜
海外移住をした女性たちへインタビュー。今回はミャンマーで会計事務所を経営する中山さやかさん。自身の病気をきっかけにキャリアチェンジをして、ミャンマーに拠点を移した中山さん。現在に至るまでの経緯を赤裸々に語ってくれました。
◆Profile◆
中山さやか(@sayaka_myanmar_dress)/MVC会計事務所代表・民族衣装仕立てショップHaricoオーナー/30代
移住国:ミャンマー/5年3か月
Q1:その国に移ろうと決めたきっかけは?
「東南アジア諸国で転職活動をしていたところ、ミャンマーで勤務する会計の専門家ということで雇用されたため。」
Q2:移住後、どんな仕事をどのようにしている?
「移住後1年間会計事務所の現地責任者として勤務したのち、現在運営するMVC会計事務所を起業。日系企業を中心に会計コンサルティング業務を行っています。」
Q3:移住前の自分にアドバイスできるなら、どんな言葉をかける?
「移住後間もない時期は営業をがんばりすぎてお酒を飲みすぎたり睡眠時間をだいぶ削っていたので『いのちをだいじに』と言いたいです。」
Q4:移住の決め手となった一番の動機と移住の方法は?
「2010年に1型糖尿病を発症し、手に職をつけなければ・・ということで2年かけてUSCPA資格を取得。その後、アジアで転職活動をして現在に至るので、1型糖尿病とUSCPAの取得が一番の動機です。」
Q5:なぜアメリカや日本にある外資系企業への就職ではなく、東南アジアを選んだ?
「持病があるので保険に入ることができません。アメリカで医療費を払うことは不可能なので選択肢に入りませんでした。東京で我慢することもできなくはないですが、極度の冷え性で冬はいつも体調が悪いため温暖な東南アジアを選びました。
移住後に気が付きましたが、東南アジアで働きはじめてから圧倒的に自身のパフォーマンスがあがりました。」
Q6:移住前と後、最もギャップを感じたことは?
「ミャンマー語が日本人にとっては簡単で、わりとすぐに覚えることができたこと。ミャンマーに来る前は英語のみで仕事をしようと考えていたけど、結果的にミャンマー語能力を生かして仕事ができるようになることは当初全く想定していませんでした。」
Q7:実際移住してから見出した、その国の魅力とは?
「目の前にあることに対し、素直に反応できる素朴な人間性をもった人たち。ミャンマー人は素敵な人ばかりです。」
Q8:その国に住んでて『正直これはキツイ...』と感じることは?
「動物関連。蚊、ハエ、ゴキブリ、アリなどの虫に加え、野犬、ハトやカラス、コウモリなどもうじゃうじゃいる。ゴミマナーも悪く、ヤンゴンの街が清潔ではない。車のマナーも悪く、人に突っ込んでくる。」
Q9:ミャンマーと日本の会社と最も違う点はどういったところ?
「供給側が力を持っている。お客様が神様という考え方はなく、お金を払うほうが決定権をもつのではないところです。」
Q10:日本にもあったらいいのに、と思うその国の魅力的なサービスは?
「人が行ってくれるサービス(スマホやPCを買ったときのアフターサービス、美容やマッサージなど)の満足度が高いです。またGrabなどのシェアリング系のアプリも日本では既得権益が邪魔をして認められていませんが、非常に便利です。」
Q11:その国で働くのに必要な心構えと、身につけたいスキルは?
「ミャンマーの文化、宗教、民族を尊重すること。家族を大切にしているミャンマー人を理解すること。」
Q12:その国で、日本人の強みを活かしたおすすめの職業はある?
「日本人の強みは残念ながら日本語が話せることくらいしかないのでは・・。日本人向けの業務はあります。」
Q13:あなたは10年後どこで何をしていると思う?
「5年後ですらわからないですね。ミャンマー国内で果樹園経営など、もっと他業種にも挑戦してみたいです。」
Q14:海外に移住したい、海外で働きたい人に向けて一言声をかけるとしたら?
「海外に拠点をもたいないことのデメリットは非常に大きいと思います。日本は災害も非常に多いですし、気候も厳しいと感じています。東南アジアに来れば体も楽ですし、本来のパフォーマンスが発揮できます。」
Q15:世界各地に暮らすフリーランス女性が集まり、リモートワークで成り立つLanderの働き方やチームつくりについてどう思いますか?
「長距離、長時間の通勤や無意味な会議などは時代錯誤だと思いますし、個を殺して集団を生かすようなビジネスの進め方はすでにナンセンスになっていると思いますので、本来あるべき姿を実践していらっしゃると思います。」
Q16:あなたのモットー(座右の銘のようなもの)は?
「我以外皆我師*。結婚したときに父が贈ってくれた言葉ですが、年々深みが増しています。」
*人は皆、自分以外のものは自分に何かを教えてくれる先生だという意味。
《編集後記》
自身の病気をバネにして資格を取得し、新天地に移住した中山さん。しかもミャンマーというからとても驚きです。一見ネガティブなことでも視点を変えて捉えることで世界が変わることを、中山さんの生き方に垣間見た気がします。(by Sakiko from Tokyo)
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